春秋時代、斉国の名宰相と謳われた管仲(かんちゅう)は、十六代君主・桓公(かんこう)に仕え、春秋五覇における覇者へと高めた。現存の『管子』七十六篇は、管仲およびその門流の手によって成立したと伝えられる思想書。有名な「倉廩実つれば則ち礼節を知り、衣食足れば則ち栄辱を知る。」といった名言を始め、その主唱する政治哲学・経済政策など、異彩を放つ卓論が随処に見られる。古来、経綸の要典として尊重された。

日本には平安初期に伝えられ、韓非子と並ぶ法家思想の聖典として、経綸の要典として重んじられ、江戸時代には注釈も多く行われたが、中でも安井息軒の業績は有名である。今日の政治・産業や教育に対しても示唆に富む。

「新釈漢文大系　管子」（全3巻）
・新釈漢文大系42　管子 上
・新釈漢文大系43　管子 中
・新釈漢文大系52　管子 下

■第９巻
　覇形第二十二（内言五）
　覇言第二十三（内言六）
　問第二十四（内言七）
　謀失第二十五（内言八）〈亡〉
■第１０巻
　戒第二十六（内言九）
　地図第二十七（短語一）
　参患第二十八（短語二）
　制分第二十九（短語三）
　君臣上第三十（短語四）
■第１１巻
　臣君下第三十一（短語五）
　小称第三十二（短語六）
　四称第三十三（短語七）
　正言第三十四（短語八）〈亡〉
■第１２巻
　侈靡第三十五（短語九）
■第１３巻
　心術上第三十六（短語十）
　心術下第三十七（短語十一）
　白心第三十八（短語十二）
■第１４巻
　水地第三十九（短語十三）
　四時第四十（短語十四）
　五行第四十一（短語十五）
■第１５巻
　勢第四十二（短語十六）
　正第四十三（短語十七）
　九変第四十四（短語十八）
　任法第四十五（区言一）
　明法第四十六（区言二）
　正世第四十七（区言三）
　治国第四十八（区言四）
■第１６巻
　内業第四十九（区言五）
　封禅第五十（襍篇一）
　小問第五十一（襍篇二）
■第１７巻
　七臣七主第五十二（襍篇三）
　禁蔵第五十三（襍篇四）