表現と文体

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本書は、日本語に関わる表現や文体について、第一線で活躍している総勢49名の研究者が、最新の研究成果を踏まえて各論を展開した論文集である。またその他に、28名の執筆陣により、日本語学に影響を与えてきた書物を取り上げ、文献プロフィールとして解説を施した。

1章 ジャンルと文体落語の話体/漫才の笑い-ズレの構造と体系-/会話における理由要求表現の機能/大学講義を対象とした類型的文体分析の試み/舞台翻訳の日本語

2章 表現分析の基礎  現代小説に見られる感動詞的呼びかけ語の連語性/感情とイントネーション/手紙と日記における文字・表記の特徴/漢語と文体-漢語接尾辞を含む合成語と引用表現を中心にして-/隠語の表現価値/「敬語表現」における「個別性」と「一般性」

3章 文体分析の着眼点  清岡卓行のテクストにおける交響性-テクスト構造と文体-/文章展開とその表現法/中島敦『李陵』の文体-漢文訓読文体から見る-/指示語の表現性-文章中の「あの」を中心に-/接続詞の二重使用とその表現効果/視点と文体-引用構造を用いた文体の特徴-/文体にとって比喩とは何か?

4章 古典文学における文体論の実践  『紫式部日記』の表現と文体/なぜ犬が犬を「とぶらふ」のか-枕草子の文体-/漢字か平仮名か片仮名か-『方丈記』の文体-/西鶴はどこにいる?-『好色一代男』の文体-

5章 近代文学における文体論の実践  吾輩は無名である-『猫』の言語空間-/第二次世界大戦後版「旅愁」第一篇の検閲と表現/井伏鱒二の文体-丹下氏邸に見る〈私〉の構造-/幸田文の文体-「感覚性」を支える文構成-/小沼丹の文体-『黒と白の猫』の間接表現-

6章 文学の表現  「あさはかなる女、目及ばぬならむかし」の喩性-源氏物語の芸-/『徒然草』における伝聞の位相/松尾芭蕉の芸-筆跡から見た「枯枝」の句について-/西鶴小説の叙述構造-作者・はなし・聞き手をめぐって-/和文脈の発見-谷崎文学の芸-/志賀直哉の芸/小沼丹の芸

7章  日本語表現の諸相  言語生活の変遷-「漱石文法」を対象として-/越境する日本語-ことばの接触がもたらすもの-/日本人の言語行動-気配りの構造-/地域社会における方言使用の現状と将来/オトマトペと文学

8章 日本語表現の現在  文体と性差(ジェンダー)-制度・まなざし・女装文体という観点から-/「神戸な人」という言い方とその周辺/若者ことばとその時代/携帯メイルハード・ユーザーの「特有表現」意識/差別語・不快語の60年

9章 文体論のひろがり  文章論と文体論-「文章・談話」と「文体・話体」の補完性-/談話と文体-感情評価の動的な過程について-/異なる読者を対象とした類似内容の文章の表現比較-日本語教育のために-/心理学と文体論-比喩の修辞効果の認知-/文学と文体

10章 文献プロフィール(略)

中村 明

1935年9月9日、山形県鶴岡市の生まれ。国立国語研究所等を経て母校早稲田大学の教授となり、現在は名誉教授。主著に『比喩表現の理論と分類』(国立国語研究所報告 秀英出版)、『日本語レトリックの体系』『日本語の文体』『笑いのセンス』『文の彩り』『日本語 語感の辞典』『語感トレーニング』(岩波書店)、『作家の文体』『名文』『現代名文案内』『悪文』『文章作法入門』『たのしい日本語学入門』『文章の技』『笑いの日本語事典』『人物表現辞典』(筑摩書房)、『文章プロのための日本語表現活用辞典』『小津の魔法つかい』『文体論の展開』『日本語の芸』『日本語の美』(明治書院)、『手で書き写したい名文』『比喩表現辞典』(角川書店)、『感情表現辞典』『感覚表現辞典』『たとえことば辞典』『センスをみがく文章上達事典』『日本語の文体・レトリック辞典』(東京堂出版)、『文章をみがく』(NHKブックス)、『漢字を正しく使い分ける辞典』(集英社)、『センスある日本語表現のために』『日本語のコツ』(中公新書)など。『角川新国語辞典』編集委員、『集英社国語辞典』編者、『三省堂類語新辞典』『日本語 文章・文体・表現事典』(朝倉書店)編集主幹。高校国語教科書(明治書院)統括委員。

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