雑誌『日本語学』 2021年秋号

雑誌『日本語学』 2021年秋号

◆「命名」「書道から見た日本語」

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通巻506号(第40巻3号)※電子版はこちら

【特集】命名

 世の中には、無数の事物があり、それらのほとんどに名称が与えられる。国語辞書に載せられているものは主なものに過ぎない。
 細々とした物事に対して、どこで誰がどのようにして名称や定義を決めているのだろうか。既存の名称を正確に定義付けしようとする場合、どのような手順が取られているのであろうか。また新たなものが発見された場合、どのような手続きで名称が定められていくのだろうか。その実際について詳しく、また幅広くとらえていきたい。


◯マーケティング効果の高い商品名とは(飯田朝子)


◯家電製品・清涼飲料・自動車の名前(蓑川惠理子)


◯商品名を表記する文字種——「ソウゾウ」の楽しみ——(増地ひとみ)


◯辞書の名前(木村一)


◯色の名前のはなし(島森功)


◯生物の名前と分類(岡西政典)


◯人体の部位と病気の名前(西嶋佑太郎)



【特集】書道から見た日本語

 書道は、日本語を毛筆や硬筆を用いて書き表す芸術であり、文字を美しく表現する技術でもある。巷間でも習字やペン習字は、比較的気軽に取り組まれている。そこでは、たとえば調和体では日本語の文章を書き写したり書き記したりしている。ひらがなだけの創作の書もあれば、漢文をしたためる臨書もある。文字性を否定した墨象も位置を確立している。
 書道は、芸術にかかわっている一方で、書写は国語教育に位置づけられており、両者は一定の距離をたもっているようにも見える。また、それらの素材として、古文、漢文、そして近現代の詩や小説などが選ばれるが、作品においてはそれらの何を伝えようとして、どのように表現することが行われ、また求められているのだろうか。
 書道や書写は、漢字の字体や書体を理解する格好の機会ともなるはずである。書道、書写と国語における漢字教育との連携の可能性についても考えてみたい。


◯手書きによる文字認識について(財前謙)


◯書道の教育について(松本仁志)


◯書写教育の現状とあり方——手書きすることの学びはなぜ必要か、何をどのように学ぶべきか——(押木秀樹)


◉連載

[日本語が消滅する時]第一回 おしよせる言葉消滅の波(山口仲美)
[社会と心に向かう言葉学]⓵買える方言見る方言(井上史雄)②日本語教師という仕事(半田淳子)③心の中のしくみを探る(広瀬友紀)
[国語の授業づくり]論理国語「書くこと」2030——ウェルビーイングを実現するために——(豊田佐和子)
[ことばのことばかり]黙って笑って(はんざわかんいち)
[校閲記者のこの一語]いつの時代も「推し」を「推す」(田角早紀)

定期購読 バックナンバー 発売予定 書籍化された本

甲斐 睦朗

1939年台湾生まれ。1961年広島大学教育学部卒業。1973年神戸大学大学院修了。愛知教育大学教授、国立国語研究所研究員、国立国語研究所所長、京都橘大学教授を歴任。

荻野 綱男

1952年、埼玉県生まれ。東京大学文学部言語学科卒業、同大学院人文科学研究科修了。埼玉大学教養学部、筑波大学文芸・言語学系、東京都立大学人文学部、日本大学文理学部教授を歴任。専門は、特に、社会言語学・敬語研究・コンピュータ言語学・計量言語学など。主要編著書に『デジタル社会の日本語作法』(共著、岩波書店、2007)、『現代日本語学入門』(共著、明治書院、2007)、『計量国語学事典』(共著、朝倉書店、2009)ほか。

近藤 泰弘

青山学院大学名誉教授。1955年、岐阜県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専門課程修了。東京大学文学部助手、日本女子大学助教授を経て、1998年から青山学院大学文学部教授。また、2021年6月からは日本語学会会長を務める。専門は、特に文法及びコーパス言語学など。