新釈漢文大系 詩人編4 李白 上
人生への省察と古典への沈潜、官能の喜びを詠う詩仙李白の詩の粋より、本上巻には、古風・楽府・歌吟188首を収録。
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書名カナシンシャクカンブンタイケイシジンヘンシリハクジョウ
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著者和田 英信 著
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シリーズ
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定価11,000円(10,000+税)
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ISBN9784625673269
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Cコード3398
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出版社
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出版年月日2019/05/10
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判型・ページ数A5・472ページ
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書店発売日2019/05/15
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在庫在庫あり
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ジャンル
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厳密な校訂を経た原文と訓読(書き下し文)を上下に対比し、現代語訳・語注を施しました。解説(詩解)では、作品の読みどころ・背景・エピソード、中国古典文学史上の位置づけ、日本における受容等に言及しました。
人生への省察と古典への沈潜、官能の喜びを詠う詩仙李白の詩の粋より、本上巻には、古風・楽府・歌吟188首を収録。◉著者メッセージ 李白と言えば中国で最も有名な詩人。その詩の4、5篇くらい諳んじてみせる、などという人も少なくないだろう。「白髪三千丈 愁いによりて かくのごとく長し」、「君見ずや 黄河の水 天上より来たるを」、……ああカッコいい。でもそんな李白にもカッコわるい詩だってある。食い詰めて友人や有力者に助力を求める詩だって少なくないのだ。 マジシャンが虚空からさっとステッキを取り出すような鮮やかな手際を想像させる李白。しかしその言葉の煌めきのかげには、真摯に古典を学ぶ努力家としての側面があった。李白は古典の中の言葉を丁寧に学び、そこから自らの表現を作り出していった。見つけ出した言葉と表現を幾度となく作品のなかに試み、練りに練り上げて詩を作り出してきた。詩人編の李白の巻では、そうした李白の様々な姿を見てもらおうと心がけた。 生きるなかで出会う、人生の諸相——挫折、離別、戦役、世にはびこる不正。その多くは悲しみや苦しみに彩られている。李白の詩はそうした負の諸相を受けとめる。鋭敏な感覚と繊細なことばで、その本質を描きつくそうとする。それと同時に李白は、負に向き合う悲哀の情緒を心地よく開放する。哀感のなかにも美を見いだし、生の喜びへととらえかえしてゆく。李白の文学創造の過程をたどり直すことは、あらためてわたしたちに文学の喜びを教えてくれるだろう。(和田 英信) |
A5判・上製(特上バクラム装)・函入
新釈漢文大系 詩人編(全12巻)
•『新釈漢文大系詩人編1 陶淵明』
•『新釈漢文大系詩人編2 謝霊運・謝朓』※未刊
•『新釈漢文大系詩人編3 王維・孟浩然』
•『新釈漢文大系詩人編4 李白(上)』
•『新釈漢文大系詩人編5 李白(下)』※未刊
•『新釈漢文大系詩人編6 杜甫(上)』
•『新釈漢文大系詩人編7 杜甫(下)』
•『新釈漢文大系詩人編8 韓愈・柳宗元』
•『新釈漢文大系詩人編9 杜牧』
•『新釈漢文大系詩人編10 蘇軾』※未刊
•『新釈漢文大系詩人編11 黄庭堅』※未刊
•『新釈漢文大系詩人編12 陸游』
【目次】(李白上)
■古風(巻二)
「古風五十九首」
■楽府 一(巻三)
「遠別離」「公無渡河」「蜀道難」「梁甫吟」「烏夜啼」「烏棲曲」「戦城南」「将進酒」「行行遊且猟篇」「飛龍引二首」「行路難三首」「長相思」「上留田」「春日行」「前有樽酒行二首」「夜坐吟」「野田黄雀行」「箜篌謡」「上雲楽」「日出入行」「胡無人」「北風行」「俠客行」「関山月」
■楽府 二(巻四)
「独漉篇」「楊叛児」「山人勧酒」「于闐採花」「王昭君二首」「荊州歌」「相逢行」「古有所思」「久別離」「採蓮曲」「白頭吟」「結襪子」「結客少年場行」「長干行二首」「古朗月行」「独不見」「白紵辞三首」「東海有勇婦」「黄葛篇」
■楽府 三(巻五)
「塞下曲六首」「玉階怨」「襄陽曲四首」「大堤曲」「宮中行楽詞八首」「清平調詞三首」「鼓吹入朝曲」「東武吟」「邯鄲才人嫁為二廝養卒婦」「出自薊北門行」「丁都護歌」「少年行二首」
■楽府 四・歌吟 上(巻六)
「高句驪」「静夜思」「淥水曲」「猛虎行」「春思」「秋思」「子夜呉歌」「估客楽」「長相思」「襄陽歌」「江上吟」「玉壺吟」「元丹丘歌」「扶風豪士歌」「同族弟金城尉叔卿燭照山水壁画歌」
■歌吟 下(巻七)
「梁園吟」「鳴皋歌送岑微君」「白雲歌送劉十六帰山」「労労亭歌」「橫江詞六首」「金陵城西楼月下吟」「東山吟」「秋浦歌十七首」「当塗趙炎少府粉図山水歌」「永王東巡歌十一首」「上皇西巡南京歌十首」「峨眉山月歌」「峨眉山月歌送蜀僧晏入中京」「江夏行」「清渓行」「臨路歌」「山鷓鴣詞」
和田 英信 著