中国古典小説選9 聊斎志異(1) 【清代I】
りょうさいしい
民間に流伝していた怪異譚を書き記したもの
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書名カナチュウゴクコテンショウセツセン9
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著者
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シリーズ
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定価7,040円(6,400+税)
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ISBN9784625664137
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Cコード0398
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出版社
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出版年月日2009/04/10
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判型・ページ数A5・456ページ
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在庫在庫僅少
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ジャンル
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中国古典小説の代表的作品の一つである「聊斎志異」は、清代初期の文人蒲松齢の撰。全16巻。「聊斎」とは、蒲松齢の号であり、書斎の名でもある。「志異」とは、「怪異」を「志す」(しるす)という意味で、当時、民間に流伝していた怪異譚を書き記したものである。科挙に合格できなかった作者の不遇が影を落としているとも言われるが、独自の価値観、ロマンチシズムが加味され、完成度の高い作品となっている。日本には、江戸時代に伝来し、明治以降、翻案・翻訳が続いた。国木田独歩の訳、芥川龍之介・太宰治の翻案小説などが有名である。本巻では、序に当たる「自誌」のほか、巻1~6の中から「酒虫」など22篇を選んで、あらすじ・現代語訳・原文・書き下し文・語注を掲げた。
◇
聊斎志異(蒲松齢(一六一〇~一七一五)の作)はその題名が示すように、「異を志し」た(「聊斎」は作者の書斎の号)書である。いわゆる幽霊話もあれば、狐や烏など異類と人間との交わりを語るものもある。また、人間の純粋無垢なひたむきな心の引き起こす奇跡の話、不思議な術の話など極めて多彩である。全編を通じて強烈なロマンチシズムが横溢しているが、作者自身の体験から生まれた科挙制度への厳しい批判、旧い家庭に見られる種々の矛盾に対する諷刺、さらには勧善懲悪の価値観など、社会や人生の現実に触れる作品も多い。
『聊斎志異』は江戸時代に日本に渡来し、翻案が作られたが、明治以後になると翻案・翻訳が続々と現れた。蒲原有明・佐藤春夫・木下杢太郎・国木田独歩らは『聊斎』に傾倒した作家であり、さらに芥川龍之介・太宰治が多くの翻案作品を書いていることはよく知られている。
瞳人語(瞳人語らふ)
画壁
偸桃(桃を偸む)
労山道士(労山の道士)
蛇人
狐嫁女
嬌娜
王成
画皮〔ほか〕
黒田 真美子 編著
竹田 晃 編