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2018.10.11 [社長:三樹 蘭のブログ]
「読書人」鼎談ウラ話②川合康三先生

『週刊読書人』2018年9月28日号
明治書院『新釈漢文大系』完結と『詩人編』のスタートを機に

の鼎談は、明治書院応接室で行われました。
傍で拝聴していた私には
話題が次から次へと出て、メモをとるのが精いっぱいで
大変勉強させていただく機会となりました。

今回ご鼎談のお三方を
お一人お一人ご紹介しながら振り返ってみたいと思います。



京都大学名誉教授・
國學院大學教授の
川合康三先生。

「読書人」鼎談・川合先生と

来年5月より刊行開始の
「新釈漢文大系 詩人編」の代表編者で、
6巻・7巻の「杜甫」(上下巻予定)を
ご執筆いただく予定です。
http://www.meijishoin.co.jp/files/shinsyaku_kanbun/TRC_kanbun20170607.pdf


川合先生からは、
漢文の難しいお話が出てくるかと
覚悟しながら拝聴していたのですが
とてもわかりやすくお話しくださいました。

特に今回初めて知ったのが「表語文字」という概念。
表意文字ではなく、今は「表語文字」というのが正しいそうです。
西洋は表音文字なので時代によって読み方が変わっていってしまうが
「語」はそのまま伝わった、というものです。
当時の「音」はもう残っていないのでわからない。
日本人は、中国という外国から入ってきた本を
一字一句忠実に写して残していった結果、
中国で残ってきた写本より原本に近いんだとか。
そう聞くと、ますます漢文がロマンチックに見えてきます。

最後に、「詩人編」への意気込みを聞かせていただき、
「良い詩は映画のように画が浮かぶ」というお話が出ました。
特に教科書に出てくる漢詩は情景を想像しやすいものが多いので、
授業でも言語活動としてKP法やポスターツアーが実践されているのを
よく拝見します。
授業で取り上げられる漢詩は、ごく一部に過ぎないと思いますので
「詩人編」で、同じ詩人の他の詩もご覧いただけたら嬉しいです。


川合先生、「詩人編」楽しみにしております。
どうぞよろしくお願いいたします。

本当に、ありがとうございました!