2017.10.06 [おすすめの本]
カズオ・イシグロ『日の名残り』の「あらすじ」と「よみどころ」を紹介!
ノーベル文学賞受賞、カズオ・イシグロの『日の名残り』の「あらすじ」と「よみどころ」も紹介!
P160~ 『日の名残り』The Remains the Day(1989年)ーカズオ・イシグロ(1954年~、イギリスの小説家) [邦訳]土屋政雄訳、ハヤカワepi文庫 イシグロの長編第3作目にあたり、ブッカー賞を受賞した。 【あらすじ】 時は1956年、アメリカ人の主人の下で屋敷の運営がうまくいかず悩んでいる執事スティーヴンズのもとに、かつて女中頭であったミス・ケントン(現在はミセス・ベンになっているが、スティーヴンズにとってはいつまでもミス・ケントンなのである)から手紙が届く。彼は行間にミス・ケントンの復職の願望を読み取り、主人のはからいで彼女の住む南西イングランドのコーンウォールへの旅に出発する。(続きは、『知っておきたい イギリス文学』) 【よみどころ・解説 丹治竜郎】 理想の執事の姿にこだわるあまり、みずから都合の悪いことはつとめて見ようとしないこの主人公は、典型的な「信頼できない語り手」である。それゆえ、彼の語りの背後に抑圧された感情や事実を読みとることが重要だが、そのさい私たち読者もまた主人公と同じように見たくないものを見ていないのではないかという留保もまた必要だろう。(続きは、『知っておきたい イギリス文学』、『名作あらすじ事典』) |