お知らせカテゴリ
  • 高等学校国語科副教材のご案内
  • 国語教科書パンフレット

2017.09.11 [社長:三樹 蘭のブログ]
平成30年5月「新釈漢文大系」完結に向けて


 初夏の風薫る候、ここに「新釈漢文大系」第一回配本「論語」を読者におくるはこびになったのは、まことに小院の欣快とするところである。


 顧みるに、昭和三十三年のやはり初夏のころ、戦後漢文のまとまったものが一つも出ないのは残念である、夙に漢文専門書肆と銘うたれた明治書院が手をつけたらどうかというお話があった。そこで小院の漢文教科書の編者内田・林・吉田の三先生ならびに宇野・目加田の二先生の御参加を得て、編集委員が組織され、連日の如く真剣な討議を重ねられた結果、書目と執筆者が決定した。その年十月、それによって、執筆者懇談会を開催した。南は九州、北は北海道まで、斯界の権威である全陣容が一堂に会され、席上、趣旨の説明、執筆要領など詳細の打合せを行い、ここにこの大企画がスタートの座についたわけである。

 少なくとも、陽光燦として輝いて、残星光を滅する体の、内容豊富にしてかつ権威あるものという要望に、筆者も極めて慎重になられ、組版もまた漢文ではおのずから印刷所に制限があり、その進捗ぶりは遅々たるものであったが、以来二か年を閲して、漸く発表の段階に至ったのである。

 而して、今後もまた紆余曲折あり、坦々たる道を歩むとは考えられないが、人生意気に感ずである。この大系の背後に読者の絶大なる支持をえて鞭撻激励されるならば、また吾等も若き血潮を火と燃やして更によきものを世に送るべく日夜努力する所存である。

 末筆ではあるが、ここに御執筆各位の御厚情に対して、心から改めて深甚の感謝を表するとともに、愛読者諸賢の変らぬ御愛顧を願う次第である。






新釈漢文大系第1巻『論語』季報(昭和35年5月発行)「編集室から」より