唐代の中期以後、八世紀末から韓愈・柳宗元らによって唱えられた古文運動は、十一世紀、北宋の欧陽脩に受け継がれ、その門下蘇洵・蘇軾・蘇轍や、王安石(おうあんせき)・曾鞏(そうきょう)らが輩出した。唐代から宋代にかけてこれら八人の文人たちを唐宋八大家と呼ぶ。彼らが目指した「駢文(べんぶん)」に対して新たな散文体の創作は、宋代以後、時代の要請と相俟って、散文の主流を占めるようになり、文章の範型として重んじられた。八大家の文章を各人ごとにまとめた書として、明代後期の芽坤(ぼうこん)による『唐宋八文家文鈔』百六十四巻がある。そしてこれを厳選し評価を加えたのが清の沈徳潜(しんとくせん)による『唐宋八大家文読本』三十巻である。日本には寛政年間に伝えられ、藩校・私塾の教本として広く読まれた。


「新釈漢文大系　唐宋八大家文読本」（全7巻）
・新釈漢文大系70　唐宋八大家文読本 一（韓愈） 
・新釈漢文大系71　唐宋八大家文読本 二（韓愈・柳宗元）
・新釈漢文大系72　唐宋八大家文読本 三（欧陽脩）
・新釈漢文大系73　唐宋八大家文読本 四（蘇洵）
・新釈漢文大系74　唐宋八大家文読本 五（蘇軾）
・新釈漢文大系75　唐宋八大家文読本 六（蘇軾・蘇轍）
・新釈漢文大系114　唐宋八大家文読本 七（曾鞏・王安石）

新釈漢文大系「唐宋八大家文読本」について

柳宗元とその文學
本書所收柳宗元主要作品年表

卷六（韓愈）
・唐故江西觀察使韋公墓誌銘
・司徒兼侍中中書令贈太尉許國公神 道碑銘
・唐正議大夫尚書左丞孔公墓誌銘
・故幽州節度判官贈給事中清河張君 墓誌銘
・施先生墓銘
・貞曜先生墓誌銘
・南陽樊紹述墓誌銘
・柳子厚墓誌銘
・殿中少監馬君墓誌銘
・河南少尹李公墓誌銘
・祭馬僕射文
・祭柳子厚文
・祭河南張員外文
・祭十二郎文
・鱷魚文

卷七（柳宗元）
・獻平淮夷雅表
・駁復讎議
・桐葉封弟辯
・晉文公問守原議
・捕蛇者說
・觀八駿圖說
・箕子碑
・封建論
・劍門銘
・寄許京兆孟容書
・與蕭翰林俛書
・與韓愈論史官書
・答韋中立論師道書

卷八（柳宗元）
・送澥序
・送婁圖南秀才遊淮南將入道序
・送婁圖南秀才遊淮南將入道序呉武陵贈李睦州詩序
・送薛存義之任序
・愚溪詩序
・序飮
・陪永州崔使君遊讌南池序
・嶺南節度饗軍堂記
・興州江運記
・四門助敎廳壁記
・道州毀鼻亭神記
・零陵郡復乳穴記
・零陵三亭記
・永州龍興寺東邱記
・永州新堂記
・桂州訾家洲亭記
・游黄溪記

卷九（柳宗元）
・始得西山宴游記
・鈷鉧潭記
・鈷鉧潭西小邱記
・至小邱西小石潭記
・袁家渇記
・石渠記
・石澗記
・小石城山記
・柳州山水近治可遊者記
・邕州馬退山茅亭記
・唐故御史周君碣
・唐故萬年令裴府君墓碣
・陸文通先生墓表
・先侍御史府君神道表
・段太尉逸事狀
・梓人傳
・種樹郭槖駝傳
・宋淸傳
・童區寄傳

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