経済言語学論考

経済言語学論考
言語・方言・敬語の値打ち

経済言語学の研究は近年日本でも盛んになった。本書では、身近な日本語方言から適切な実例をあげ、論文解説を付している。

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経済言語学の研究は近年日本でも盛んになったが、全体の理論的構成があいまいなままである。面白い個別的研究もあるが、相互の関連が不明瞭で、概説書でも構成に理論的裏打ちがない。これに対し本書では、理論構成を明らかにし、かつ身近な日本語方言から適切な実例をあげるように心がけている。単なる論文の寄せ集めではなく、論文解説を付し、論文の相互関連を明らかにし、他研究者の成果も補い、現段階の研究水準を明らかにしたものである。

まえがき

第 I 部 言語の経済
第1章 難易度からみた経済言語学
第2章 経済財としての言語-国際語と絶滅危機言語-
第3章 言語の情的価値
第4章 経済言語学からみた言語景観
第5章 公用語化の必要経費-第二公用語論の経済言語学-
第6章 ドイツ語・日本語の経済言語学的価値変動
第7章 言語の価値変動-日本と中国-

第 II 部 方言の経済
第8章 方言イメージと社会と経済
第9章 方言景観の経済
第10章 全国の新方言
第11章 対人配慮の新方言
第12章 東京の新方言
第13章 東京新方言の重力モデル
第14章 ことばの伝わる速さ-ガンポのグロットグラムと言語年齢学-
第15章 音韻共通語化のS字カーブ-鶴岡・山添6回の調査から-

第 III 部 敬語の経済
第16章 敬語の心-敬語変化の社会的背景-
第17章 敬語用法の近代化
第18章 方言敬語の時代性と社会
第19章 世界の敬語の経済性
第20章 敬語の社会学と経済学
第21章 敬語の地理・経済・社会-「はは」と「あげる」と「お」-
第22章 言語変化の成人後採用-文化庁世論調査による「お」の系譜-
第23章 美化語「お」の変化と成人後採用-文化庁データの解釈-
第24章 「お」の使い分けパターン-「お使い分け」データの分析-
第25章 「お」の使い分けにみる美化語の循環過程-「お使い分け」データの解釈-


参考文献(五十音順)
初出一覧
TABLE OF CONTENTS
あとがき
索引

井上 史雄

1942年、山形県に生まれる。東京大学文学部卒業、同大学院博士課程修了。博士(文学)。東京外国語大学教授、明海大学外国語学部教授を経て、現在、明海大学客員教授・国立国語研究所客員教授。社会言語学・方言学専攻。NHK放送用語委員。
著書:『計量的言語区画』『新しい日本語』『方言学の新地平』『言語楽さんぽ』『社会方言学論考-新方言の基盤-』(以上、明治書院)、『日本語ウォッチング』(岩波新書)、『敬語はこわくない』『日本語は年速1キロで動く』(講談社現代新書)、『変わる方言 動く標準語』(筑摩書房)、『日本語の値段』(大修館書店)、『東北方言の変遷』(秋山書店)ほか。