本書は平成18年に刊行した『名作あらすじ事典-西洋文学編』に収録しているフランス文学について、増補して独立した一冊としたもの。各作品の「あらすじ」と「よみどころ」をコンパクトにわかりやすく紹介するという内容はそのままに、今回あらたに作品を追加して各文学50作品とした。また、原題や刊行年を表記して、小文学史を起草するなど文学史的な読み方もできるようになっている。新たに刊行された邦訳本も追加し、あまり外国文学を読まない方にも気軽に楽しんでもらいたい一冊。
小野 潮 著
1955年生まれ。東北大学大学院博士課程前期修了。現在、中央大学教授。フランス文学、とくにスタンダールを専攻。著書に『モダン都市と文学』(共著、洋泉社)など、訳書にトドロフ『越境者の思想』『異郷に生きる者』『文学が脅かされている』(法政大学出版局)、ドリュモー『地上の楽園』『千年の幸福』(共訳、新評論)などがある。