中国古典小説選7 緑珠伝・楊太真外伝・夷堅志 他 【宋代】
りょくしゅでん ようたいしんがいでん いけいし
宋人伝奇数編と、志怪集『夷堅志』(抜粋)を収める
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書名カナチュウゴクコテンショウセツセン7
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著者
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シリーズ
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定価7,040円(6,400+税)
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ISBN9784625664014
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Cコード0398
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出版社
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出版年月日2007/03/20
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判型・ページ数A5・350ページ
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在庫在庫僅少
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ジャンル
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本巻にはいわゆる宋人伝奇数編と、志怪集『夷堅志』(抜粋)を収める。西晋の大富豪の石崇(せきすう)の寵姫、緑珠(りょくしゅ)が主人に純愛を捧げ通して自決する物語の『緑珠伝』や、安禄山の乱を招いた楊貴妃の詳細な事実を語った『楊太真外伝』など、事実を伝えようとする物語が、宋代の伝奇の特徴ともいえる。あらすじ、原文に書き下し文、現代語訳に注の構成で、読みやすい。
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本書にはいわゆる宋人伝奇数編と志怪集『夷堅志』(抜粋)を収める。宋人の伝奇は、唐人のそれに比べて華々しさに欠ける。また、ロマンティックな夢と愛の物語という点で、宋人の伝奇は唐人のそれに劣る、というような評価が一般的である。こうした評価はまちがってはいないが、宋人の伝奇には、唐代伝奇にはない特徴(時にそれは長所でもある)があることもまた事実である。それは事実を事実として追求する歴史家に似た視点であり、冷徹な叙述である。ここに収める伝奇作品を挙げる。
緑珠伝(楽史(九一○~一○○七)の作)=作者は宋初の歴史家。西晋の大富豪として有名な石崇の寵姫緑珠の物語。笛・舞の名手であった美妓の緑珠が、主人に純愛を捧げ通して自決するまでの物語。
楊太真外伝(楽史の作)=唐の玄宋の寵姫で、安録山の乱を招き、国家を大混乱に陥れた元凶とされる楊貴妃についての、かなり詳細な事実に基づく物語。
李師師外伝(作者不明)=北宋最後の皇帝で、「風流天子」と称された徽宗と、都汴京の市井の美妓李師師との人目を忍ぶ恋の物語。李師師は、侵攻してきた金に捕らえられるのを恥じ、徽宗への愛を貫いて自決する。
夷堅志(洪邁(一一二三~一二○二)の作)=洪邁は宋代一流の学者。人から聞いた厖大な数にのぼる怪異譚を収集・記録した書。怪異を「事実として認識し、収録する」という、六朝志怪の伝統を継承する志怪書と言える。
楊太真外伝
李師師外伝
夷堅志
竹田 晃 編著
檜垣 馨二 著
黒田 真美子 編