中国古典小説選7 緑珠伝・楊太真外伝・夷堅志 他

中国古典小説選7 緑珠伝・楊太真外伝・夷堅志 他 【宋代】
りょくしゅでん ようたいしんがいでん いけいし

宋人伝奇数編と、志怪集『夷堅志』(抜粋)を収める

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本巻にはいわゆる宋人伝奇数編と、志怪集『夷堅志』(抜粋)を収める。西晋の大富豪の石崇(せきすう)の寵姫、緑珠(りょくしゅ)が主人に純愛を捧げ通して自決する物語の『緑珠伝』や、安禄山の乱を招いた楊貴妃の詳細な事実を語った『楊太真外伝』など、事実を伝えようとする物語が、宋代の伝奇の特徴ともいえる。あらすじ、原文に書き下し文、現代語訳に注の構成で、読みやすい。

本書にはいわゆる宋人伝奇数編と志怪集『夷堅志』(抜粋)を収める。宋人の伝奇は、唐人のそれに比べて華々しさに欠ける。また、ロマンティックな夢と愛の物語という点で、宋人の伝奇は唐人のそれに劣る、というような評価が一般的である。こうした評価はまちがってはいないが、宋人の伝奇には、唐代伝奇にはない特徴(時にそれは長所でもある)があることもまた事実である。それは事実を事実として追求する歴史家に似た視点であり、冷徹な叙述である。ここに収める伝奇作品を挙げる。
緑珠伝(楽史(九一○~一○○七)の作)=作者は宋初の歴史家。西晋の大富豪として有名な石崇の寵姫緑珠の物語。笛・舞の名手であった美妓の緑珠が、主人に純愛を捧げ通して自決するまでの物語。
楊太真外伝(楽史の作)=唐の玄宋の寵姫で、安録山の乱を招き、国家を大混乱に陥れた元凶とされる楊貴妃についての、かなり詳細な事実に基づく物語。
李師師外伝(作者不明)=北宋最後の皇帝で、「風流天子」と称された徽宗と、都汴京の市井の美妓李師師との人目を忍ぶ恋の物語。李師師は、侵攻してきた金に捕らえられるのを恥じ、徽宗への愛を貫いて自決する。
夷堅志(洪邁(一一二三~一二○二)の作)=洪邁は宋代一流の学者。人から聞いた厖大な数にのぼる怪異譚を収集・記録した書。怪異を「事実として認識し、収録する」という、六朝志怪の伝統を継承する志怪書と言える。

緑珠伝
楊太真外伝
李師師外伝
夷堅志

竹田 晃 編著

1930年、東京生まれ。1943年(昭和18)、東京高等師範学校附属中学校(現、筑波大学附属高校)に入学。野球部に入部。1946年(昭和21)8月、第28回全国中等学校優勝野球大会に東京代表として出場、ベスト4。1949年東京大学(新制)入学、野球部入部。1950年東京六大学野球リーグ戦に初出場。1953年東京大学野球部助監督、1954年同監督就任(1955年6月まで)。1959年東京大学大学院中国語中国文学専門課程修了。東京大学名誉教授、明海大学名誉教授。主要著書に、『中国古典小説選全12巻』(共編、明治書院)『中国の幽霊』(東京大学出版会)『岩波新漢語辞典』(共編、岩波書店)『漢字源』(共編、学習研究社)ほか。

檜垣 馨二

1935年東京生まれ。1960年東京外国語大学中国語科卒業後、東京銀行に入行。1990年同行退職後、英国企業等国際金融業務に従事。2000年明海大学大学院修士課程に入学。竹田晃先生に師事。2003年同課程修了

黒田 真美子

大阪生まれ。1991年東京大学大学院博士課程単位修得修了。1993年ミュンヘン大学大学院Promotion Gang単位取得修了。2007年、法政大学教授。