精選 文学国語

精選 文学国語
[117明治|文国707]

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2024(令和6)年度版

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指導資料セット朗読CD内容説明資料学習課題ノート

感性や知性を磨き、
読み手を惹きつける文章を創作する力を身につける

特色

  1. 作品を深くつかむためのテーマ別単元構成
    • テーマごとのまとまりで作品理解の幅を広げます。
    • 全ての単元に、関連する評論を収録し相互の理解を深めます。
  2. 定番に新たな光を当てる新教材
    • 評価の定まった作品と、現代的な視点から読むべき作品を、バランスよく配置しました。
  3. コラム・「文学の窓」・「単元の言語活動」で深い学びを実現
    • 書き下ろしのコラム、教材理解を深める発展的な文章、教材を横断する言語活動により、深い学びを目指します。

 

教材一覧【前編(2年生)】
1 小説入門
  言葉によって 大江健三郎
  〔コラム〕小説文の形式
  悪童日記 アゴタ・クリストフ/堀茂樹訳
  山月記 中島敦
  【文学の窓】小説とは何か 三島由紀夫
  単元の言語活動|1 小説の方法を読む——「形」に着目して書く——
2 詩歌入門
  詩の自由を探る 藤井貞和
  秋の祈 高村光太郎
  三好達治
  汚れつちまつた悲しみに······ 中原中也
  石垣りん
  【文学の窓】詩的リズム——音数律に関するノート—— 菅谷規矩雄
  単元の言語活動|2| 〈詩らしさ〉を探る——言葉はどのようなときに詩になるのか——
3 文学の境界を広げる
  安部公房
  〔コラム〕〈文学〉の領域を更新する
  地球から来た男 星新一
  押絵と旅する男 江戸川乱歩
  マンガは哲学する 永井均
  【文学の窓】映画の中の花 西川美和
  単元の言語活動|3| さまざまなメディアに生息する〈文学〉を発見する——文学の分布図を広げよう——
4 言葉の力
  こころ  夏目漱石
  夏目漱石・芥川龍之介往復書簡 夏目漱石・芥川龍之介
  山東京伝 内田百閒
  「東京語」の表象の成立 イ・ヨンスク
  【文学の窓】群れず集まる 田中和将
  単元の言語活動|4| 言葉には不思議な力があることを確かめる——人と人をつなぎ、人と人を引き離すもの——
5 伝統と革新
  短歌の輪郭——現代にとって短歌とは何か—— 小池光
  短歌十二首 釈迢空山崎方代塚本邦雄馬場あき子栗木京子穂村弘
  【文学の窓】『桐の花』の言葉 俵万智
  俳句十二句 村上鬼城・河東碧梧桐・尾崎放哉・原石鼎・杉田久女・芥川龍之介高野素十・後藤夜半・川端茅舎中村汀女篠原鳳作・高屋窓秋
  〔コラム〕川柳の現在
  単元の言語活動|5| 俳句を詠んでみる——自分の思いが伝わるように表現してみよう——
6 戦争と記憶
  現場に来て初めてわかること 高野秀行
  空缶 林京子
  野火 大岡昇平
  転移する記憶 岡真理
  単元の言語活動|6| 戦争という〈出来事〉を伝える——どのような視点から語り継ぐのか——

 

教材一覧【後編(3年生)】
1 都市と移動
  本を読む 蜂飼耳
  〔コラム〕本を読む楽しみ
  檸檬 梶井基次郎
  【文学の窓】陰翳礼讃 谷崎潤一郎
  下町 林芙美子
  歩道橋の魔術師 呉明益/天野健太郎訳
  都市は/を語る 石田英敬
  単元の言語活動|1| 暮らす、生きる、そしてそれを描く——都市を通して文学の読みを深める——
2 自然を見る、自己を見る
  流れる髪 永瀬清子
  羨望 伊東静雄
  独楽 高野喜久雄
  韜晦 多田智満子
  高度 小池昌代
  【文学の窓】秋 ライナー・マリア・リルケ/茅野蕭々訳
  単元の言語活動|2| 自然と自己との関係を考える——比喩を通じて物事を捉えてみよう——
3 文学と歴史
  舞姫 森鷗外
  みづの上日記 樋口一葉
  【文学の窓】日和下駄 永井荷風
  入れ札 菊池寛
  〔コラム〕文学の歴史について再考する
  物語と歴史のあいだ 野家啓一
  単元の言語活動|3| なぜ名作は「名作」なのか——時代を超えて読み継がれる作品とは——
4 自他への配慮
  巨人の接待 小川洋子
  はじめての沖縄 岸政彦
  アイデンティティ 藤野可織
  愛について 竹村和子
  〔コラム〕マイノリティと文学
  単元の言語活動|4| あなたはみんなと同じか、あなた自身と同じか——文学的な文章が考察すること——
5 抒情の探究
  短歌十四首 木下利玄会津八一岡井隆・河野裕子・福島泰樹・水原紫苑・斉藤斎藤
  俳句の力学 岸本尚毅
  俳句十二句 高浜虚子加藤楸邨・石田波郷桂信子・森澄雄・飯田龍太・三橋敏雄・飯島晴子・高柳重信・池田澄子・正木ゆう子・田中裕明
  【文学の窓】底荷 上田三四二
  単元の言語活動|5| 自分で選んだアンソロジーを作る——短歌・俳句の表現の特徴や効果を考えよう——
6 近現代を問う
  一瞬の共同性を生きる 星野智幸
  苦海浄土—もう一ぺん人間に— 石牟礼道子
  日本文化私観 坂口安吾
  現代日本の開化 夏目漱石
  単元の言語活動|6| 近現代の諸問題と対話する——私たちはどこに立ち、どこに向かっているのか——
〔付録〕
  • 日本近・現代文学史年表
  • 世界の文学はすばらしい—明日への読書のために—  

 

·•·•·教科書編集委員の先生から·•·•·

「収録教材について」
小平麻衣子(慶應義塾大学教授)

小平麻衣子先生  明治書院の『文学国語』は、すでに価値が定まり、教養として知っておきたい文学作品と、現代的な観点から読むべき作品をバランスよく配置しています。とは言え、それは作品が古いか新しいかで分けられるわけではありません。
 例えば今回採用した林芙美子は、戦後の世相を写した作品であるのと同時に、女性の視点に配慮すべき現代だからこそ、読む価値が改めて浮上した作品です。このような文学の現代的意義を、周囲に配置した論理的な文章と合わせて読むことで、より深く理解できるように工夫しています。
 逆に、戦争や都市、歴史など社会に関わる知は、文学と同様、人間の思いや記憶を発想の基盤としており、説得的な記述を行うためには、文学の表現技法と共通点があることもわかるでしょう。正確な読解と応用の双方に配慮した「言語活動」は、これらの理解を助け、人間が生きていく上での様々な課題への実践につながるものになるはずです。

 

■前編

1.小説入門
言葉によって(大江健三郎)
悪童日記(アゴタ・クリストフ/堀茂樹訳)
山月記(中島敦)
【文学の窓】小説とは何か(三島由紀夫)

2.詩歌入門
詩の自由を探る(藤井貞和)
秋の祈(高村光太郎)
雪(三好達治)
汚れつちまつた悲しみに……(中原中也)
崖(石垣りん)
【文学の窓】詩的リズム──音数律に関するノート──(菅谷規矩雄)

3.文学の境界を広げる
鞄(安部公房)
地球から来た男(星新一)
押絵と旅する男(江戸川乱歩)
マンガは哲学する(永井均)
【文学の窓】映画の中の花(西川美和)

4.言葉の力
こころ(夏目漱石)
夏目漱石・芥川龍之介往復書簡(夏目漱石/芥川龍之介)
山東京伝(内田百閒)
「東京語」の表象の成立(イ・ヨンスク)
【文学の窓】群れず集まる(田中和将)

5.伝統と革新
短歌の輪郭――現代にとって短歌とは何か――(小池光)
短歌十二首 釈迢空・山崎方代・塚本邦雄・馬場あき子・栗木京子・穂村弘
【文学の窓】『桐の花』の言葉(俵万智)
俳句十二句 村上鬼城・河東碧梧桐・尾崎放哉・原石鼎・杉田久女・芥川龍之介・高野素十・後藤夜半・
      川端茅舎・中村汀女・篠原鳳作・高屋窓秋

6.戦争と記憶
現場に来て初めてわかること(高野秀行)
空缶(林京子)
野火(大岡昇平)
転移する記憶(岡真理)


■後編

1.都市と移動
本を読む(蜂飼耳)
檸檬(梶井基次郎)
【文学の窓】陰翳礼讃(谷崎潤一郎)
下町(林芙美子)
歩道橋の魔術師(呉明益/天野健太郎訳)
都市は/を語る(石田英敬)

2.自然を見る、自己を見る
流れる髪(永瀬清子)
羨望(伊東静雄)
独楽(高野喜久雄)
韜晦(多田智満子)
高度(小池昌代)
【文学の窓】秋(ライナー・マリア・リルケ/茅野蕭々訳)

3.文学と歴史
舞姫(森鷗外)
みづの上日記(樋口一葉)
【文学の窓】日和下駄(永井荷風)
入れ札(菊池寛)
物語と歴史のあいだ(野家啓一)

4.自他への配慮
巨人の接待(小川洋子)
はじめての沖縄(岸政彦)
アイデンティティ(藤野可織)
愛について(竹村和子)

5.抒情の探究
短歌十四首 木下利玄・会津八一・岡井隆・河野裕子・福島泰樹・水原紫苑・斉藤斎藤
俳句の力学(岸本尚毅)
俳句十二句 高浜虚子・加藤楸邨・石田波郷・桂信子・森澄雄・飯田龍太・三橋敏雄・飯島晴子・高柳重信・
      池田澄子・正木ゆう子・田中裕明
【文学の窓】底荷(上田三四二)

6.近現代を問う
一瞬の共同性を生きる(星野智幸)
苦海浄土─もう一ぺん人間に─(石牟礼道子)
日本文化私観(坂口安吾)
現代日本の開化(夏目漱石)


付録
日本近・現代文学史年表
世界の文学はすばらしい―明日への読書のために―
●『精選 文学国語 指導ガイド』(定価:44,000円)
●『精選 文学国語 指導用データ集』(定価:5,500円)
●『精選 文学国語 デジタル教科書』(定価:3,300円)
●『精選 文学国語 学習課題ノート』(定価:880円)
●『国語朗読CD』(定価:11,000円)
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